摂食障害とは
摂食障害は、食事に関する異常な心理的・行動的なパターンを特徴とする精神障害の一つです。
代表的な摂食障害には、拒食症、過食症、過食嘔吐症があり、食事や体重のコントロールに異常な関心を持つことが特徴です。若い女性に多いですが、まれに男性の患者さんもみられます。
下記のチェックリストに3つ以上当てはまる方、症状がすぐれない方はお気軽にご相談ください。
摂食障害の原因
摂食障害の原因は多様です。
心理的要因
- 成熟することへの嫌悪
- 感情を抑え込みやすい
- 自己評価が低い など
社会的要因
- スリムな女性を美しいと評価する社会の風潮
- 人間関係のストレス
- 進学や就職についての不安 など
生物学的要因
- 脳内セロトニン系の異常
- 脳内アドレナリン系の異常 など
他に文化的要因などが関与しています。
摂食障害の症状
拒食症では、極端な食事制限をして体重をコントロールしようとしますが、体重を増やさないように努力するあまり、生存に必要な栄養分の摂取をないがしろにするため、知らず知らずのうちに身体の機能が低下してきます。
すると生存本能が働いて耐え難い食欲が湧き、不本意ながら辛い気持ちで過食をしてしまいます。
一度食べ始めるとなかなか止まらず、“食べてしまっているうちに好きなだけ食べておこう”という気持ちになって、驚くほど大量の食事を摂ってしまうことがあります。
その後、後悔して、身体の中に入っている食べ物を全部排出しようと努力します。
そして過食嘔吐症となります。
過食嘔吐症では、過食後に嘔吐や下剤を乱用することが特徴です。
これらの症状により日々虚しさを感じ、体重の変動や自身の体型についての認知の歪み、自己否定感、うつ症状、万引き・粗暴行為などの社会的問題の出現、自傷行為、自殺企図などがみられることもあります。
摂食障害の治療方法
摂食障害の治療は、身体面の治療、心理・行動面についての治療が必要で、精神療法、認知行動療法や栄養指導、精神安定剤などの薬物療法が中心となります。
身体の衰弱が著しい時には、入院治療が必要になる場合もあります。治療の目標は、食事や体重への適切な認識を獲得すること、身体的・心理的な健康を取り戻すことです。
総合的な治療的アプローチが必要であり、早期の治療が重要です。