心身症

心身症とは

心身症は、日本心身医学会の定義によると、『身体疾患の中で、その発症や経過に心理・社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態』であり、心と身体が相互に影響し合って、身体的に器質的・機能的な悪影響を及ぼす病態を指します。
心身症の特徴は、身体的な不調と心理的な要因が絡み合って現れることですが、神経症やうつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外されます。

下記のチェックリストに3つ以上当てはまる方、症状がすぐれない方はお気軽にご相談ください。

チェックリスト 回答
頭痛や腹痛など、体の不調が頻繁に起こる
疲労感や倦怠感が続いている
不眠や、睡眠の質の低下がみられる
過度の不安や緊張がある
焦燥感や不安感が日常的に存在する
自分に過度のノルマを課してしまう完璧主義者である
ストレスや精神的な負担が増えると身体の不調が悪化する
特定の心理的要因(状況や場所など)によって、身体的な症状が誘発される
仕事や学業、社会活動などがストレスとして感じられる
身体的な不調や心理的な症状が日常生活に支障をきたしている
一般的な医学的検査で異常が見つからないが、症状が続くため、検査結果と症状の関連性に矛盾を感じる
症状が一時的に改善することもあるが、再発する
ストレスの増減によって症状が変動する

結果

心身症の原因とは

心身症の発症の原因は多岐に渡りますが、主に仕事や家庭など日常生活上のストレスが原因となっています。ストレスが大きくなっているにも関わらず、無理をして頑張り続けていると、心の辛さが身体の症状として表出してくるのです。
長期間のストレスや精神的な負担は免疫系や自律神経に影響を及ぼし、心身症の発症を誘発します。

心身症の症状とは

心身症の症状は身体のいろいろな部位に起こり得ます。
一般的にみられるのは頭痛、胃痛、倦怠感、筋緊張などですが、症状は個々人によって異なり、ストレスや不安の度合いによっても変わることがあります。

呼吸器系 気管支喘息、過換気症候群、神経性咳嗽など
循環器系 本態性高血圧症または低血圧症、不整脈、狭心症や心筋梗塞といった冠動脈疾患など
消化器系 胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸炎、慢性胃炎など
内分泌代謝系 甲状腺機能亢進症、糖尿病、摂食障害など
神経・筋肉系 筋緊張性頭痛、片頭痛、心因性めまい、自律神経失調症など
皮膚系 アトピー性皮膚炎、慢性蕁麻疹、円形脱毛症など
整形外科的領域 頸肩腕症候群、腰痛症、慢性関節リウマチ、全身性疼痛など
泌尿器科的領域 夜尿症、過敏性膀胱炎、性機能障害など
婦人科的領域 更年期障害月経前症候群など
耳鼻咽喉科的領域 耳鳴り、心因性難聴、アレルギー性鼻炎など

心身症の治療方法

心身症の治療には、心と体のバランスを取り戻す総合的なアプローチが大切で、ストレス対処法の習得やリラクゼーション法の実践、心理療法やカウンセリングなどが有効です。
適切な運動や栄養摂取、十分な睡眠の確保といった生活習慣も重要です。
早めの対処が症状の早期改善につながることが多いため、症状に気づいた時点で早めに医師や専門家にご相談ください。

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