強迫性障害とは
強迫性障害は、自分の意思に反するある行動や考え(強迫観念)が頭に浮かんで離れず、その考えが現実化してほしくないという恐れを抱いているため、実現化を阻止したり中和したりするための独特な思考を反復したり、儀式的な行動(強迫行為)を繰り返したりする精神障害です。
例えば、何かを触って手指が汚れてしまったと過剰に心配して、何度も手洗いを繰り返したり、戸締りをした筈なのに確信がもてず、何度も戸締りの確認を繰り返したりする行動がみられます。
また、起こって欲しくない怖い考えや恥ずかしい考えが頭に浮かんで離れず、その考えを打ち消そうとして別の想念を努力して思い浮かべることを繰り返しますが、それらのことに時間とエネルギーをとられてしまい、現実の生活に大きな支障をきたします。
下記のチェックリストに3つ以上当てはまる方、症状がすぐれない方はお気軽にご相談ください。
強迫障害の原因
強迫性障害の原因は明確にはわかっていませんが、遺伝的な要素やセロトニンなど脳内の神経伝達物質の異常、ストレス、環境要因などが関与している可能性があります。
また、一部の研究では、特定の脳領域の機能異常が関連している可能性も示唆されています。
強迫性障害の症状
強迫性障害の主な症状は、強迫観念と強迫行為です。
強迫観念
強迫観念とは、不安や恐怖を引き起こす反復的で不合理な思考やイメージのことであり、例えば、
- 細菌に感染するのではないか
- 知らないうちに他人に危害を加えてしまったのではないか
といった、実際には起こってほしくない恐怖を伴う考えが反復的に生じるのを、阻止したり中和しようとしたりして別の思考で置き換えようと努力することに時間とエネルギーを費やしてしまいます。
強迫行為
強迫行為とは、強迫観念を和らげるために行われる反復的な行動や儀式のことであり、例えば
- 手を洗う
- 物を整理する
などの行動があります。
強迫性障害の治療方法
強迫性障害の治療には、薬物療法と認知行動療法、暴露療法が一般的に使用されます。
抗不安薬や抗うつ薬などを症状軽減のために使用します。認知行動療法では、強迫観念に対する対処法や思考パターンの修正、強迫行為を減らすための技法が取り入れられます。
暴露療法とは、恐怖の対象としている事柄に敢えて挑戦し、慣らしていく治療法です。
早期の診断と適切な治療が強迫性障害の管理に重要です。治療を受けることで、症状の軽減や日常生活の改善が期待できます。サポートグループや家族の理解と支援も重要です。