睡眠障害とは
睡眠障害とは十分に質の高い睡眠を確保できない状態のことを指し、日中の機能や健康に悪影響を及ぼすおそれがあります。
下記のチェックリストに3つ以上当てはまる方、症状がすぐれない方はお気軽にご相談ください。
睡眠障害の原因
睡眠障害の原因はさまざまで、ストレスなどの心理的な要因、治療薬や精神作用物質の副作用、身体的な疾患、睡眠環境の不適切さ、などが関与しています。
また、生活習慣の乱れや不規則な睡眠スケジュール、過度の興奮や不安などが睡眠障害を増長させてしまいます。
睡眠障害の症状・種類
睡眠障害の症状としては
- 入眠に時間がかかる
- 全体的に睡眠が浅い
- 夜中に何度も目が覚める
- 全く眠れない
などがあります。また、
- 集中力が低下する
- イライラする
- 不安や抑うつ感が生じること
などもあります。
特発性過眠症
特発性過眠症では、夜間に7時間以上まとまった睡眠をとっていても、起床後すっきりせず、常に眠気があって居眠りをしてしまうなど、社会的、職業的に支障がでる場合もあります。
この疾患では、頭痛、起立性調節障害、失神などの自律神経症状を伴うことがあります。
ナルコレプシー
ナルコレプシーと呼ばれる中枢性の疾患も睡眠障害に分類されており、覚醒状態を維持するために必要な神経ペプチド(オレキシン)を作り出す神経細胞の変性や脱落が原因と考えられています。
この疾患では、日中に耐え難い眠気に襲われ、食事中や歩行中など、通常眠ることがない状況で居眠り(睡眠発作)をしてしまいます。数分から十数分程度の短い居眠りの後は、すっきりと目覚めることができるのが特徴です。
また、ナルコレプシーでは、大笑いをした後や驚きや怒りなどの強い感情が誘因となって情動脱力発作(呂律が回らなくなる、その場に崩れ落ちるなどの症状)や、寝入りばなに金縛りにあったようになる睡眠麻痺、何かが寝室にいるように感じるレム睡眠に関する幻覚が生じることもあります。
クライネーレビン症候群
クライネーレビン症候群(反復性過眠症・周期性傾眠症)は著しい眠気と長時間の睡眠が繰り返し現れるのが特徴で、数日から数週間続く過眠状態が年に数回以上みられ、その間、行動や情動の変化を認めることがあります。
閉塞性睡眠時無呼吸症
閉塞性睡眠時無呼吸症は睡眠中に口、鼻、気道といった空気の通り道が狭くなり、呼吸が一時的に止まってしまい、脳への酸素供給が滞っておこる睡眠障害です。
呼吸を再開しようとして大きな鼾をかくことが特徴です。
将来的に様々な成人病につながるおそれもあり、身体的な治療も要する疾患です。
睡眠時随伴症候群
睡眠時随伴症候群では、睡眠中にベッドから起き上がって歩き回ったり、突然叫び声をあげて覚醒したりします。
また、悪夢によって安眠できない状態もこの症候群に含まれます。
レストレスレッグス症候群(むずむず足症候群)のように眠ろうとすると足がむずむずして不快になり、落ち着かなくなる症状も、睡眠に随伴した症状の一つに分類されています。
睡眠障害の治療
睡眠障害の治療には、まず原因の特定と改善が重要です。
生活習慣の見直しや睡眠環境の整備、ストレス管理の方法などが有効なアプローチとなります。
また、認知行動療法やリラクゼーション法などの心理療法が取り入れられることもあります。
薬物療法としては、睡眠導入剤や睡眠を補助する薬剤が選択されます。
早期の対処と適切な治療により、睡眠障害の症状の軽減や、日常生活の質の向上が期待されます。